破産にまつわるQ&A
Contents
- Q:家族や子どもに影響(返済義務など)はありますか?
- Q:近所の人や友人などに知られますか?
- Q:自己破産したことは会社に知られますか?
- Q:会社に知られると解雇されますか?
- Q:破産したことが戸籍や住民票に載りますか?
- Q:将来年金は受給できますか?
- Q:一生クレジットカードを作ったり、ローンを組んだり出来ないのですか?
- Q:自己破産をしても免責されないことはありますか?
- Q:海外旅行や引っ越しは出来ますか?
- Q:選挙権はなくなるのでしょうか?
- Q:現在、会社の代表者をしていますが、自己破産をしても会社を設立することは出来ますか?
- Q:銀行の口座は作れますか?
- Q:免責されると保証人の債務も免責されますか?
- Q:自己破産後に金融業者からダイレクトメールが届くのですか?
Q:家族や子どもに影響(返済義務など)はありますか?
A:破産は基本的に破産者個人の問題であるため、親の破産が子どもの進学、就職結婚などに影響することはありません。また、家族が保証人になっていなければ、家族に支払義務はありません。しかし、破産手続をとると、破産者名義の不動産は処分しなければなりませんし、自動車や保険(学資保険等も)も処分の対象となる可能性があるため、間接的な影響は考えられます。
Q:近所の人や友人などに知られますか?
A:友人や知人から借入れをしていなければ、知られる可能性は極めて低いです。しかし、友人や知人から借入れをしている場合は、債権者として扱うことになるので、裁判所から破産開始決定通知が債権者に届き、破産を知られることとなります。なお、支払いが難しくなってから、一部の友人や知人(親族を含みます)にだけ借金を返済することは、免責不許可事由となることがあるなど、後に問題となりますので、やめておきましょう。
Q:自己破産したことは会社に知られますか?
A:会社から借入れがある場合などは、会社が債権者となりますので、裁判所の破産開始決定通知が会社に届き、会社に知られることになります。また、会社から借入れがなく、会社が債権者ではなくても、破産手続上必要な書類(退職関係の書類、社内積立の書類等)を会社に提出してもらう際に、提出理由を質問されるかも知れませんが、理由を濁して提出を受けられれば、問題ありません。
Q:会社に知られると解雇されますか?
A:自己破産を理由に解雇されることはありません。自己破産をしたことを会社に報告する義務はありませんが、一定の資格や職業については、破産手続きが開始してから免責決定が出るまでの間、それらの職に就くことが出来ないため、資格を必要としない別部署への異動を会社に相談する必要が出てくることがあります。
もし、自己破産を理由に解雇されてしまった場合、解雇無効を争うことが出来ますので、弁護士にご相談ください。また、資格制限があり、別部署への異動が難しい場合など、自己破産ではなく個人再生という選択肢もございますので、そういった場合も弁護士にご相談ください。
Q:破産したことが戸籍や住民票に載りますか?
A:自己破産をしても戸籍や住民票に記載されることはありません。以前は、破産すると本籍地の市町村役場に通知が行き、破産者名簿に記載されていましたが、平成17年1月1日に新破産法が施行されてからは、「免責不許可になった場合」「免責申立が却下になった場合」など特殊な場合にしか通知されなくなりました。そのため、ほとんどの人は破産者名簿には載りません。
Q:将来年金は受給できますか?
A:年金受給権に影響はありませんので、受給することが出来ます。ただし、年金担保貸付を受けている場合は、破産してもその債務は免責されないため、その債務が完済するまで年金を受け取ることが出来ない場合があります。
Q:一生クレジットカードを作ったり、ローンを組んだり出来ないのですか?
A:自己破産をすると、信用情報機関にあなたの情報が事故情報として登録されます。信用情報機関には3つの機関(CIC、JICC、全国銀行協会)がありますが、それぞれ登録期間が異なります。破産終了(免責決定)後約5~10年間は事故情報としていずれかの信用情報機関に登録されていると言われていますので、この期間にクレジットカードやローンの申込をしても、審査の段階で事故情報を理由に審査が通らないことがあります。しかし、5年~10年の登録期間が過ぎれば、事故情報が消えるため、新たにクレジットカードを作ったり、ローンを組むことが可能となります。
Q:自己破産をしても免責されないことはありますか?
A:免責許可の決定が出ると、債務は免除されることになりますが、「税金・社会保険料・年金担保による貸付・養育費・不法行為に基づく損害賠償請求権・罰金」については免責の対象外になるため、免責決定がでても免除されません。
Q:海外旅行や引っ越しは出来ますか?
A:同時廃止事件であれば、制限を受けることはないので、いつでも海外旅行にいけますし、引っ越しも自由に出来ます。しかし、管財事件の場合は、破産法37条1貢により「破産者はその申立により裁判所の許可を得なければ、その居住地を離れることができない」と規定されているため、破産手続中は裁判所の許可がなければ出来ません。なお、「居住地を離れる」というのは、引っ越し(住所変更)や宿泊を伴う旅行、宿泊を伴わないとしても遠隔地の旅行も含まれます。破産手続が終了すると、これらの制限はなくなりますので、自由に旅行や引っ越しをすることが出来ます。
Q:選挙権はなくなるのでしょうか?
A:選挙権や被選挙権などの公民権がなくなることはありません。
Q:現在、会社の代表者をしていますが、自己破産をしても会社を設立することは出来ますか?
A:新たに会社を設立することは可能です。しかし、自己破産をすると、一定期間(約5~10年)信用情報機関に事故情報が登録されるため、その間、金融機関から融資を受けることが出来ず、資金面において会社設立は簡単ではありません。また、破産によって、かつての取引先からの信用は失われている可能性が高いため、以前と同じような取引は出来ない可能性もあります。つまり、法律的には新たに会社を設立することは可能でも、実際様々な問題が発生することは確かだと言えます。
Q:銀行の口座は作れますか?
A:自己破産をしても、引き続き預金口座は利用できますし新規口座開設も可能です。また、振込や公共料金の自動引き落としを利用することも可能です。ただし、自己破産をすると、信用情報機関に登録されるため(約5年~10年)、その間は銀行からの融資は受けることが出来ません。
Q:免責されると保証人の債務も免責されますか?
A:主債務者が自己破産で免責決定が出ても、保証人の債務まで免責されるわけではありません。また、主債務者が自己破産をすると、保証人には一括で請求されます。そのため、自己破産をする前には、保証人に事情を説明することをおすすめします。
Q:自己破産後に金融業者からダイレクトメールが届くのですか?
A:自己破産をすると信用情報機関に事故情報が約5年~10年登録されます。また、免責許可を受けてから7年間は、再度の自己破産をすることが出来ません。こういった制度を悪用するヤミ金業者などが、破産者に融資案内のダイレクトメールを送っていると言われています。
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